郡上市立郡上東中学校1年生合唱披露

校歌と市歌で森林保全を訴える



 2011年(平成23)年5月28日,和良町運動公園(岐阜県郡上市和良町宮地)多目的交流広場において,国際森林年記念イベント「第5回郡上市みどりの祭り」(郡上市緑化推進委員会主催)が開催された。オープニングの式典において,郡上市立郡上東中学校(同市和良町法師丸)1年生32名による学年合唱が披露された。
 筆者が同校の合唱を鑑賞するのは初めてである。同校は,同年4月に開校したばかりの学校であるが,分離によって独立したわけではなく,2校の中学校の統廃合に伴って誕生した。それでも各学年の学級数は1学級で,今回披露された学年合唱は,同時に学級合唱でもあるわけだ。
 今回披露された曲は,「郡上東中学校校歌」及び「郡上市の歌」の2曲。いずれの曲も混声二部合唱で,緑に囲まれた郡上の自然の豊かさを謳っている。女子に比べ男子が少ないこともあってか,男声がやや小さいと感じたが,変声期の最中でも精一杯の声を出そうとする姿勢に心を打たれた。


日置郡上市長による祝辞
郡上東中学校生徒代表による大会宣言
郡上東中学校1年生による合唱  「郡上東中学校校歌」 「郡上市の歌



 以下に,今回の合唱に先立って行われたスピーチの全文を載録する。校歌や市歌の練習を通じ,新しい学校や自分達の郷土に対する愛着を高めるとともに,入学を機に出会った新たな仲間との絆を深めようとしてきたことがうかがえる。

 私達は郡上東中学校の1年生32人です。「郡上東中学校校歌」と「郡上市の歌」を歌います。郡上東中学校の校歌は,初めて1年生32人で歌った新しい校歌です。新しい校歌は歌詞を覚えるのが大変でしたが,一生懸命練習して大月研修でも気持ち良く歌うことができました。郡上市の歌は,私達のふるさと郡上市の歌を一生懸命練習して,歌詞を覚えてみんなで練習してきました。今日はこの会場に来てくださったたくさんの人達に,郡上東中学校の校歌と郡上市の歌を知ってもらいたいという気持ちで歌います。聴いてください。


 ところで,今回の統廃合を機に校舎は新築されており,生徒らは地元産の木材がふんだんに用いられた2階建ての木造校舎で,新たな仲間との新生活をスタートさせた。今回の「郡上市みどりの祭り」に合わせ,同校の校舎見学会が開催されたため,合唱を鑑賞した後,早速2qほど離れた同校へ足を運んだ。

 校舎に入ってまず感じたのは,木の温もりだ。木造というだけあってまだ木の香りが残っていたのである。生徒用の玄関と来客用の玄関は共同であったが,裏手に職員用の玄関もあった。
 1階には校長室や職員室,生徒会室,特別教室等が配置されていた。校長室や職員室は施錠されていたものの,ガラス張りになっていたため,中の様子をうかがうことができた。校長室は(あなが)ち広くはなかったのだが,机やソファー以外はほとんど物が置かれておらず,歴代校長の写真がないのは当然としても,掲示物が全くなかった。まるで未使用の部屋のようであった。
 音楽室にはグランドピアノはなかったが,アップライトピアノが(しつら)えられていた。また印刷室には最新鋭のプリンターが備え付けられていた。
 2階には普通教室や図書室,パソコン室等が配置されていた。普通教室に関しては,各学年1学級の学校であるため,都合3教室しかない。北から1,2,3年生という順で配置されていた。将来的な生徒数の増加が見込めないためか,空き教室はなかった。
 2階の部屋で特に目を引いたのは,更衣室である。男子用と女子用の1室ずつ設けられており,室内にはロッカーが設置されていた。職員用の更衣室はたいていの学校にもあるようだが,生徒用の更衣室が完備されている学校は珍しいのではないだろうか。

 新しい学び舎で青春の日々を送る郡上東中学校の生徒らの絆の深化と,同校の一層の発展を祈り,学校を後にした。





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【最終更新】2016年5月1日