高山市立国府小学校4年生合唱発表

こくふ交流センター開館記念



 2011(平成23)年7月1日,こくふ交流センター(岐阜県高山市国府町広瀬町)さくらホールにおいて,同センターの完成式が挙行された。この完成式の中で高山市立国府小学校(同)4年生による合唱が披露され,開館を祝った。
 筆者が同校の合唱を鑑賞するのは2年ぶりである。今回披露された曲は,「Believe」及び「ヒロシマの有る国で」の2曲。いずれの曲も高音と低音に分かれた二部合唱であった。4年生の1学期の段階ですでに二部合唱に挑戦していることから,合唱に対する意識の高さを感じた。


さくらホール外観
来賓,小・中学生らによるテープカット
國島高山市長による式辞
国府小学校4年生による合唱
Believe」  「ヒロシマの有る国で



 こくふ交流センターには,さくらホールのほか,高山市役所国府支所,図書館,公民館等の機能が集結しており,国府地区の行政,生涯学習の拠点となる複合施設と言える。
 さくらホールの最大の特長は,やはり音響だろう。音響効果に優れているということを事前に知っていただけに,音の響きに対しては並々ならぬ期待感を持っていたのである。
 実際に国府小学校4年生の合唱を鑑賞してみると,非常に響きが美しく,本当に素晴らしいホールであることを実感することができた。とりわけ最初のピアノによる前奏を聴いた時の衝撃は忘れられない。座席が満席だったため,ホールの後部で立見していたのだが,ステージから遠く離れていても明瞭に音が響いていた。

 もちろん,素晴らしかったのはホールというハード面だけではなく,児童らの合唱というソフト面においても深い感動を味わうことができた。むしろ,ハード面以上に感動したと言っても過言ではない
 当日は地元選出の衆議院議員・金子一義元国交相をはじめ多くの来賓や市民が会場に詰め掛けていたこともあり,児童らにとっては大勢の人前で合唱するのは緊張したに違いない。しかしそんな中でも,与えられた大役を果たそうと健気(けなげ)に合唱する姿には感動すら覚えた。むしろ,新しいホールで合唱できる喜びを咀嚼(そしゃく)しているようで,このホールで最初に合唱するのが自分達であることに対する矜持(きょうじ)すら感じた。

 その中でも特に印象的だったのは,男子児童の姿である。女子児童と人数はほぼ同数なのだが,女子以上に大きな声を出して頑張っていた。今回のように二部合唱であっても,小学生の合唱であるため,中学生のように男女別でパートを編成することはない。すなわち,高音,低音のいずれのパートも男女混合で編成するのであり,高音は女子のみ,低音は男子のみというように明確に分かれることは原則としてないということである。
 また,およそ4年生の男子というと変声期前であるため,声を聴いただけでは女子の声との差は判然としない。女子のような高い声の男子もいるものである。
 以上のことから,合唱を聴いただけで男子と女子のどちらの声が大きいかということを判断するのは実際のところ難しい。ただ,概してこれまでに聴いてきた他校の4年生と比較すると,若干声のトーンが低く,柔らかさが感じられたため,男子の方が大きな声を出していると推測できたのである。とりわけ低音パートではそれが顕著であった。

 さらに,数名であったが男子の中に体を左右に揺らしながらリズムをとる児童がいた。中学生にも言えることなのだが,合唱においてこのように自分を表現しようと一生懸命になる男子に出会うことは稀有(けう)であるだけに,深く感動してしまった。
 男女に共通して多く見受けられたのは,前傾姿勢である。曲のリズムに合わせながら,やや上半身を前に傾けては戻すという動作を繰り返していた。さらに,口を多く開けて豊かな表情で歌う児童も多くいた。

 こくふ交流センターが開館して最初に合唱を披露したのが国府小学校4年生であったわけだが,そんな記念すべき舞台にふさわしい,非常に感動的な合唱であった。素晴らしい合唱を聴かせて下さった4年生の皆様に対し,深謝申し上げたい。
 以下に,今回の合唱に先立って行われたスピーチの全文を載録する。

 私達はこの交流センターができるのをずっと楽しみにしていました。たくさんの本が並び,小さい子から大人まで楽しめる図書館や,新しい公民館,この素晴らしいホール――こんな素敵なホールで歌えて,本当にうれしいです。今日は今までの練習の成果を出し,聴いてくださる方に私達の想いが伝わるように歌いたいと思います。
 曲名は「Believe」と「ヒロシマの有る国で」です。「Believe」では,みんなで手をつないで,明日を,未来を信じてという気持ちで,今,被災されている方々にも想いが届くように,「ヒロシマの有る国で」では,世界の各地で起こっている戦争をやめよう,平和な世界にしようという想いで一生懸命歌います。どうぞお聴きください。



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【最終更新】2013年12月1日