安八郡輪之内町立大藪小学校親子音楽鑑賞会

求められる“歌も楽しい大藪”



 2012(平成24)年6月9日,輪之内町立大藪小学校(岐阜県安八郡輪之内町大藪)体育館において,親子音楽鑑賞会が開催された。この中で大垣女子短期大学音楽総合科ウインドアンサンブルコースの学生らによる吹奏楽の演奏が行われたほか,同小学校の全校児童による校歌も披露された。


ウインドアンサンブルによる演奏
指揮を体験する児童
全校児童による校歌斉唱  「大藪小学校校歌


 筆者が大藪小学校の合唱を鑑賞するのは初めてである。また,ウインドアンサンブルの演奏を鑑賞するのは2010(平成22)年10月30日に開催された揖斐郡池田町立池田中学校の合唱祭に引き続いて行われた演奏会をはじめ,今回で3回目となる。
 今回披露されたのは全校児童約250名による校歌斉唱。児童らはウインドアンサンブルの演奏に合わせ,大きな声で元気良く歌うことができていた。とりわけ低・中学年にその傾向が顕著であった一方,高学年,特に6年生においては声が十分に出ていなかったり,視線を()らして仲間の方を見ていたりするなど,最上級生としての自覚に欠ける姿が見受けられた。
 また,校歌は1〜3番まで全て披露されたが,3番の出だしが遅れ,6小節程度の空白が続いたというハプニングがあった。恐らく児童らは,2番と3番の間に間奏が入ると思っていたため,発声が遅れてしまったものとみられる。だが,そんな時こそ,6年生が率先して声を出すべきだったのではないだろうか。最上級生である6年生が堂々と歌っていれば,1〜5年生もそれに(なら)い,安心して声を出せていたはずなのである。

 大藪小学校の校歌の中には“歌も楽しい大藪”という歌詞がある。しかし,筆者の聴いた限りでは,同校は合唱を柱とした音楽教育が盛んであるとは思えず,“歌も楽しい大藪”とは言い難いというのが実状だ。今回の音楽鑑賞会の中でもこの合唱には大いに期待していた筆者にとっては,その期待を裏切られたというのが率直な感想で,落胆させられた。
 本当の意味での“歌も楽しい大藪”に生まれ変わるためには,音楽的な側面以前に,まず6年生に最上級生としての自覚を持たせ,大藪小学校の大黒柱として,下級生の牽引力(けんいんりょく)となるような存在に育てていくことが一義的に求められよう。




 輪之内町立大藪小学校校歌
  作詞 栗原一登/作曲 中野雅之

  1  そよ風渡れ 輪之内は
     長良よ揖斐よ 川が行く
     水の歴史の ふるさとだ
     仲よく学ぼう 明日をめざし
     そうだ明日を 明日をめざし

  2  光よおどれ 時計台
     明るい窓に ベルが鳴る
     歌も楽しい 大藪だ
     元気に励もう 明日をめざし
     そうだ明日を 明日をめざし

  3  雲わき起これ 養老よ
     伊吹よつねに 山がよぶ
     のぞみ豊かな 岐阜の子だ
     強く生きよう 明日をめざし
     そうだ明日を 明日をめざし





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【最終更新】2012年7月1日