岐阜市立岐阜中央中学校1年生合唱披露

岐阜空襲から68年



 2013(平成25)年7月9日,権現山 時鐘楼(岐阜市駿河山)において,「平和の鐘」を打ち鳴らす行事が開催された。この中で,岐阜市立岐阜中央中学校(同市京町)の1年生による学年合唱が披露された。
 筆者が同校の合唱を鑑賞するのは,2013(平成25)年2月に開催された同校の飛躍の会以来,5ヵ月ぶり4回目となる。
 この日は,1945(昭和20)年7月9日に起きた岐阜空襲から68年を迎えたことにちなみ,岐阜市中心部の金華山に連なる権現山にある時鐘楼で鐘を打ち鳴らし,800余名の犠牲者の冥福と恒久平和を祈念したのである。


平和の鐘の打鐘
生徒代表による「平和への誓い」
若原敏夫氏による岐阜空襲の体験談
細江岐阜市長による挨拶
杉山市仏教会長による法話
岐阜中央中学校1年生による合唱  「Forever


 今回披露された曲は,「Forever」で,前年の同行事に出席した岐阜中央中学校1年生が合唱した曲と同曲である。平成24年度から使用され始めた中学校の音楽の教科書に掲載されている新しい曲であるため,筆者自身もこの曲を鑑賞した回数はさほど多くはないが,1年生の学年合唱曲として歌う中学校が多かった。
 午前9時過ぎに披露された今回の合唱は,すでに気温が30℃を超える猛暑の中という環境であった上,登山の疲れもあったかと思うが,服装の乱れもなく,きちんと指揮者に注目して正しい姿勢で合唱することができていた。さらに,声量が十分に出ていた上,特に女声が一語一語を丁寧に,気持ちを込めて歌うことができていた。
 男声は女声ほどの迫力は感じられなかったのだが,それは恐らく変声期前の男子が多いからだろう。1年生の7月であるからそれも当然だろう。男子は決して声を出していない訳ではなく,女子のような高い声を出せる男子が多いため,男女の声域に差が生じなかったものと思われる。
 この曲は二部合唱なのだが,ユニゾンの部分が多い。そのため実質的には斉唱のようにも聴こえる曲だが,「僕らの夢が遠くに見えるよ」の部分ではソプラノとアルトがそれぞれ別々の旋律を歌う。この部分の低音パートを歌う女子が大勢いたのがブレスのタイミングから確認できたため,低音パートは男女混合で編制されていたことが分かった。
 男子はこれから変声期を迎え,合唱に支障を来すことが予想されるが,変声期が終わる頃には安定した深みのある声で女声を支えられるようになるだろう。
 筆者がこの「平和の鐘」を打ち鳴らす行事での合唱を鑑賞するのは今回で3回目であるが,その中でも今回の合唱は特に印象に残る,感動的な合唱であった。過去2回の合唱と異なり,ただ単に歌っているのではなく,想いを届けようとする意志が伝わってきたのである。彼らの想いは,きっと空襲で犠牲になった人々の御霊にも届いたことだろう。





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【最終更新】2016年1月1日