岐阜市立加納小学校校内音楽会



 2018(平成30)年12月22日,岐阜市立加納小学校(岐阜市加納西丸町)体育館において,同校の校内音楽会が開催された。
 筆者が同校の合唱を鑑賞するのは,前年の校内音楽会以来,1年ぶりである。
 「練習の成果を発揮してみんなの心にひびく合唱・合奏をしよう」というスローガンの下,各学年で築き上げた合唱や合奏を披露した。


全校
えがおをさかせよう

3年生
合奏あの雲のように」 合唱ゆかいな木きん」 合唱奏おかしのすきなまほうつかい
【スローガン】
練習からみんなが全力で取り組み,3年生の高まりが伝わるえんそうをしよう

1年生
合唱はる なつ あき ふゆ」 合唱奏ぶんぶんぶん」 合唱うみ」 合唱奏どんぐりさんのおうち」 合唱奏きらきらぼし
【スローガン】
さいごまでがんばってなかよくとりくみ,あかるくげんきなおんがくをつくりだそう

5年生
合唱Believe」 合奏キリマンジャロ
【スローガン】 練習から心を一つに全力でやりきろう

3・4・5部 (特別支援学級)
合唱うたえバンバン」 合唱奏こぎつね
【スローガン】 みんながにこにこになるようにせいいっぱい歌おう

NHK全国学校音楽コンクール出場者・音楽クラブ
合唱いのちの地図

教職員
合唱ふるさと

4年生
合唱奏いろんな木の実」 合唱いつだって!
【スローガン】 本物の力で心を一つに楽しく全員でやりぬける校内音楽会にしよう

2年生
山のポルカ」 「かぼちゃ」 「虫の声
【スローガン】 はくに合わせてみんなで工夫して歌ったりがっきをならして思い出にのこる楽しい校内音楽会にしよう

6年生
合唱シーラカンスをとりにいこう」 合奏そりすべり
【スローガン】 最初から最後まで真剣にやりきり全員の心を一つにしてみんなが笑顔になる校内音楽会にしよう



 加納小学校の音楽会は,筆者がこれまでに取材してきた岐阜県下の小学校の音楽会の中では最大規模。ここで言う「規模」とは,児童数のことではなく,時間や位置付け,出演者の範囲のことである。小学校の音楽会と言うと,全校集会の延長という位置付けの学校が多く,時間も1時間程度で済んでしまうのが一般的で,筆者にとっては物足りなさを感じていた。だが,実はそもそも音楽会自体を開催しない小学校の方が圧倒的に多いという実態を(かんが)みれば,短時間とは言え開催しているだけでも評価すべきだろう。音楽会を開催しないというのは,筆者にとっては運動会を開催しないのに等しいほど深刻な事態だと考えている。同じ小学生でも,在籍した小学校によって音楽会を経験する者とそうでない者とに分かれるという格差が生じてしまうのだ。体育的行事は全国で当たり前のように開催されている一方で,文化的・学芸的行事の方は意外にも軽視されている実態に憂慮している。
 一方,加納小学校の音楽会は約2時間15分で,もはや集会レベルではなく,1学年2〜3学級程度の中学校の合唱祭に匹敵する規模である(ただし,前年度に比べ約30分短くなっている)。各学年の演奏や全校合唱は他校でも披露されるが,同校ではそれらに加え,和太鼓や特別支援学級,教職員,NHK全国学校音楽コンクールに出場したメンバーによる演奏も披露された。小学校の音楽会としては例外的とも言うべき充実したプログラムで,筆者にとっては少なくとも「規模」に限れば満足感の得られる音楽会であった。


―続く―


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【最終更新】2019年1月3日